なぜボトルキャップが通貨になるのか？

1997年の『Fallout』シリーズの登場以来、広大なウェイストランドの世界では、小さなボトルキャップが法定通貨として流通してきました。しかし、多くの人が疑問に思うことがあります。弱肉強食の世界で、なぜこのような価値のないアルミ製のキャップが人々に認められるのでしょうか？
こうした問いは、多くの映画やゲーム作品の関連設定にも反映されています。例えば、手、刑務所のタバコ、ゾンビ映画の食品缶詰、『マッドマックス』の機械部品などは、生活必需品として重要な材料であるため、通貨として用いることができます。
特に『メトロ』（Metro）シリーズの発売以降、多くのプレイヤーは、このゲームにおける「弾丸」を通貨として設定することの妥当性に納得しています。弾丸は生存者全員に利用価値が認められており、持ち運びや貯蓄も容易です。言い換えれば、危険が迫った際に、ギャングスターにとって弾丸とボトルキャップのどちらが「説得力」を持つのか、誰もが容易に判断できるということです。
「サブウェイ」で本当に価値があるのは、核戦争勃発前に残された軍用弾薬だ。平日は、人々は手製の弾薬で遊ぶことしか考えない。
では、なぜ黒道は荒野の世界の通貨として巧妙にボトルキャップを選んだのでしょうか?
まずは公式の声明を聞いてみましょう。
1998年にFalloutのニュースサイトNMAのインタビューで、シリーズのクリエイターであるスコット・キャンベルは、当初から弾丸を通貨にすることを考えていたと明かしました。しかし、「弾丸を発射すると1ヶ月分の給料が消える」という状況に陥ると、プレイヤーは無意識のうちに行動を抑制するようになり、これはRPGの探索と開発の要求に著しく反することになります。
想像してみてください。要塞を略奪しに行ったのに、奪い取った後に破産してしまうなんて。こんなRPGゲームは無理でしょう…
そこでキャンベルは、世界の終わりというテーマに合致するだけでなく、悪趣味の精神を体現するトークンを思いつきました。オフィスのゴミ箱を片付けていたとき、ゴミの山の中で唯一光るものがコカ・コーラのボトルキャップだったことに気づきました。これが、ボトルキャップが通貨として使われるという話の始まりです。